■はじめに-店舗、ショップ、お店の事業企画書を作る目的飲食店、エステ、ヘアカットなどは、小規模事業者が活躍しやすい業界です。どこかで働いて、腕を磨き、いざ独立というステップアップが図りやすい業界だからです。確かな腕とコミュニケーション能力があれば、大手企業にも対抗できますから、小規模事業者であっても経営が成立しやすいというのもあります。ところが、独立できる腕はあるけど、いざ独立しようとして、どうお店を経営していったらいいかという段階で立ち止まることになります。それは、そうです。確かな腕はあっても、お店を経営したことなどないのですから。最初に問題となるのが、お金です。出店するには、いくら必要か。適当な物件を探し家賃を調べ、外装、内装費などの費用が分かれば、おおよそ必要な資金の目安は出てきます。次に問題になるのが、どこから資金、お金を調達するか、借りるか。自己資金で足りるか、足りない場合、まずは親、家族、それでも足りなければ、日本政策金融公庫か、出資家のどちらかです。長年やってきた分野や経験のある職種で独立・起業するなら、日本政策金融公庫が順当でしょう。あと、私がいろいろな方を見ている中で、よいと思うのは、出資してくれそうなお金を持っている人です。自分という人間性に興味を持って、事業内容に賛同してくれ、持っているお金をうまく使いたい、投資したいと思っている人が回りにいれば、出資してくれやすいのです。というところまでくると、日本政策金融公庫や出資家に説明するための、事業計画書、企画書、提案書が必要になってきます。ところが、これがなかなか書くことが難しいようです。多くの人は、ここでもとまどうことになります。事業企画書など書いたことがない、どう書けば、作ればいいのか。となって、私のところに相談にこられるのです。多くの人は、事業企画書、事業計画書など、作ったことがないのです。苦労して自分で作るか、私のような手馴れたプロに任せるかになります。苦労して自分で作っても、なかなかうまく作れないものです。お話をお聞きしていますと、どういう店にするか、どういう強みをもつか、ということに関しては、よくお考えなのですが、売上、利益、経費など販売計画について、詰めるべきところまで詰めている人は少ないです。つまり、実際に、自分でエクセルなどを使い表を作成し計算している人はほとんどいません。せいぜい、1日や月間売上いくら、経費はいくら位で全体の何%位といったイメージが頭の中にある程度です。しかし、これでは、出資してもらえません。売上計画は、事業企画で重要なところです。どの程度の規模のビジネスになるのか、出資してくれる人が判断するからです。コンセプトや事業の成功の可能性も重要なのですが、リターンを重視しているような人だと、お金のことしか興味のない人もいたりします。飲食店、エステ、ヘアカットなどの販売計画を立てることは、特に難しいことはありません。基本は、平均客単価×客数です。例えば、低価格のヘアカット店をやるとして、平均客単価1,500円なら、自分1人で運営する場合、1日客数20人で1日売上30,000円、1ヶ月900,000円というように計算ができます。単価、客数を変えていくことで、もっとも適切な数字に調整していきます。さらに、回転状況も計算しておきます。1日20人なら、約30分に1人ですから、実質1人でも大丈夫となります。客単価の低い飲食店などの場合、回転数は大切です。席数×回転数で必要な客数を確保する必要がありますので、店の規模や席数にも影響してきます。売上がでたら、家賃、材料費、光熱費、広告宣伝費、あと、給料などの費用を引いて、利益が出せるようにします。実際に計算をしてみると、売上が足りない、家賃が高い、席数がもっと欲しい、給料はもっと上げたいなど変更したい点が出てきますので、各数字をいろいろ調整していくことになります。そして、これらを時系列でみていく必要があります。飲食店の場合、開店時に客数が多いこともありますが、大抵の店のパターンは当初、客数、売上は少なく、利益も出ない状況ですので、それらを右肩上がりで計算し、何か月後には利益が出るように想定していきます。こうした作業をすることで、事業規模、事業内容が確定し、具体的になっていきます。具体的になればなるほど、これならできる、できそう、といったイメージもできてきます。事業企画書を作ると、お金以外にもやらなければいけない企画を詰めることができます。ビジネスモデル、運営体制、スケジュール、営業方法、販促企画などなど。書いていくことで、足りないこと、詰めるべきことが明らかになります。事業企画書では、それほど詳細に詰めなくても、基本的な方向性や考え方としてまとめていけば、出資してもらうという目的であっても、実際の事業運営の指針にすることができます。ですから、お金を借りることがなくても、独立・起業時には、事業企画書を作っておくほうがベターです。営業、販促などやらなければいけない企画は多く、それらを事業企画書という1つの形にすることで、1本筋を通すことができます。また、自分で展開するビジネスがどういうものかを確認し、ブラッシュアップすることができます。さらに、協力者や関係者への説明ツールにもなります。はじめて店を経営しようという方は、企画、計画をどんどん具体的につめたほうがよい、ということもなかなか分からないものです。分かったとしても、実際に作業すると、どうやってまとめていいか、書いていいかわからないものです。そんなときは、どうぞ、本書をご活用ください。■事業企画書作り方&書き方事例うどん店開業がテーマの事業企画書です。フランチャイズ展開をも想定して作成した表紙も含めた23ページの企画書です。目次 □「高崎うどん」の特徴■高崎うどん・特長と店舗概要■高崎うどんの特徴■店舗名と店舗コンセプト□店舗展開■パースプラン■内装イメージ■平面プラン■メニュー計画■売上計画□出店・店舗運営計画■出店・店舗運営の考え方■フランチャイズ化計画■出店ロケーション計画■直営店・フランチャイズ店出店計画■年度別売上計画■集客計画■売上データ管理計画■仕入れ計画■組織・体制■上場計画■会社概要#本書は、画像データで構成しています。画像データをタップして、拡大してご覧いただくことを前提にしています<紹介ムービー>http://youtu.be/zeiKoq1Efwk